餡の味は小豆の質によって大きく左右されると言われています。
むか新で使用している小豆は、土づくりにもこだわった北海道十勝で低農薬栽培によって育てられた安心・安全な小豆をつかっています。
小豆は太陽の光を浴びて養分をつくりだし、夜にその養分を糖分に換えて蓄積していきます。夜の気温が高いと糖分が貯まらないため、北海道十勝特有の寒暖差が、美味しく優秀な小豆を育てます。
安心・安全な低農薬での栽培は、雑草も生えやすく害虫にも悩まされます。苦労することも大変多い栽培方法ですが、小豆生産者の方が丁寧に美味しく育てられた小豆をつかわせていただき、風味の良い餡に炊き上げております。
「粒餡」とひとことで言っても、実はお菓子によって炊き方が違います!
今回は本銅鑼でつかっている粒餡のこだわりの炊き方の紹介です。
ふっくらと炊き上げた十勝産小豆を糖蜜につけます。
銅釜で炊いた糖蜜の中に小豆を入れるのですが、ふっくらと炊き上げている小豆はやわらかく、優しく扱わないとすぐに割れてしまいます。粒餡として大切な『小豆の形』が潰れないように数回に分けて丁寧に糖蜜につけ、弱火でひと煮立ちさせて一晩寝かせます。
糖蜜の中で一晩寝かせた小豆は、中までしっかり甘さが染み渡ります。
糖蜜に小豆をつけずにそのまま炊き上げる方法もありますが、むか新では一晩じっくり糖蜜につけて小豆の芯まで甘さを含ませることで、より美味しい粒餡になると考えています。
ここから粒餡として炊き上げていきますが、蜜を吸った小豆は扱いが難しく強火で炊くと焦げてしまうので、職人がつきっきりで火加減を調整し、弱火で炊き上げていきます。
ある程度炊き上げたら、水あめを加えます。
粒餡は、小豆、砂糖、寒天と水あめが原料です。寒天と水あめを加えることで保水性を高め、しっとりとした粒餡に仕上がります。
水あめを加えるタイミングも重要で、その日の炊き加減を見るのは当然ですが、温度や湿度、湯気の出かたなどを見て長年餡を炊いている職人の感覚で加えていきます。炊きあがる餡の糖度の範囲は+-1度以内という基準内で日々美味しい餡を炊き上げています。
炊きあがった粒餡は、粗熱を取った後に冷蔵庫で一日寝かせます。一日寝かせることで餡の固さや風味が落ち着き、より美味しい餡になります。
この後、粒餡は焼き上げられた本銅鑼の生地に挟まれてお店に並びます。
美味しく炊きあがった粒餡をぜひお召し上がりください。
生餡(小豆を煮て皮を取って中身だけ取り出したもの)を糖蜜の入った釜に入れ、炊き上げます。
むか新のこし餡は、なめらかでくちどけの良い、あっさりとした味が特徴です。
あぜ餡は粘りが強いので、餡の中でも特に焦げやすく、炊くのが非常に難しい餡です。
職人が火加減を調整し、常に餡の様子を確認しながら炊いています。