始まりは明治の小さなむらしぐれ本舗でした

ヒストリー
昭和30年代のむらしぐれパッケージ
昭和30年代のむらしぐれパッケージ

私共が営む「むか新」は、大阪泉州の歴史と郷土菓子と共に歩んでまいりました。当庵は初代・向井新與門が明治25年(1892年)に、佐野町(現・大阪府泉佐野市)で創業しました。むらしぐれ本舗ののれんをかかげ、泉州地方に伝わる郷土菓子「むらしぐれ」を看板商品としておりました。南海鉄道が佐野まで開通した明治30年代には、地元の銘菓として駅でも販売されていました。
百二十余年を経た現在、地元をはじめ多くのお客様に愛され、お蔭様で「むか新」は泉州を中心に全20店舗に広がっております。今も昔も、皆様のお茶の間で愛されるお菓子をつくり続けております。

昭和25年当時の駅前通り店
昭和27年当時の工場

豪商が伝え、城主が愛した郷土菓子

むらしぐれ本舗から郷土の銘菓をつくり続ける歴史が始まりました。

泉州の名物として知られる“しぐれ”や“むらさめ”と呼ばれる菓子の誕生には、江戸時代にこの地域で名をはせた豪商・食野家の存在がありました。当初、食野家の秘伝の菓子として守られておりましたが、ある時領主である岸和田城主・岡部美濃守長住公が病にふせられ、この菓子が献上されました。その折、賞賛の言葉と共に「時雨」の名を賜ったと伝えられております。


食野家八代元眠肖像画 禅徳寺所蔵
岸和田藩が享保十五年に 発行した藩札

大阪泉州

その昔、大阪は和泉・河内・摂津の三つの国に分けられおり、泉州という名はこのうちの和泉国の別称を指します。泉州地域は、大和川以南の大阪湾岸部、9市4町からなり、大阪府南西部にあたる地域です。 戦国時代には堺を中心に南蛮との貿易の拠点として栄え、歴史・文化的資源やだんじり祭りをはじめとした伝統的な祭り、自然や温泉など魅力ある地域資源が豊富な地域です。

むらしぐれは、どんなお菓子ですか?

Qむらしぐれは、どんなお菓子ですか?

A庵主「ほろほろと溶けるやさしい甘さの素朴な和菓子です。小豆を煮あげてさらしただけの“生餡”をつかって蒸し上げたお菓子ですので、しっとりとした口溶けの良い独特の食感になります」。

Qどんな素材をつかっているんですか?

A庵主「小豆に砂糖、米粉と餅粉というシンプルな材料でつくっている無添加の和菓子です。小豆は、厳選した北海道十勝産を使用しています」。

Qむらしぐれのようなお菓子は、全国にあるんですか?

A庵主「いったん砂糖を入れ、餡に炊いたものをそぼろにした、いわゆる餡むらさめは、京都などでもよくみかけますね。大体のお菓子は機械化されて全国に出回るんですが、手づくりでしかできない泉州だけの独特の和菓子だと思います」。

Q変わった食べ方があれば教えてください。

A庵主「生クリームを添えて一緒に食べても相性が良いですよ」。

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